今日はちょっといつもと違ってプログラムでは無い話を。
私もお世話になっている、暗号資産マーケットのBitflyerについてです。
Bitflyerでは、現物の他に、差金決済のビットコインFXがあります。
FXはレバレッジが可能で、個人の場合2倍までレバレッジできます。
また、売りから入ることができるので、+2倍から-2倍までポジションを持つことができます。
現物の場合、マーケット間での値段差は、参加者によって自動的に是正されます。
高いマーケットと安いマーケットが存在すれば、安いところで買って、ビットコインを送金し、高いところで売る人が出ます。
その結果、価格差が一定の範囲に収まるわけです。
この価格差を是正されるマーケットの仕組みは、FXと現物の価格差の是正には働きません。
FXから現物に送金ができないためです。
そのため、Bitflyerは、価格差を是正する仕組みとして、SFDというのを導入しています。
そして、このSFDが微妙で改善した方が良いのではないかというのが、今回の趣旨です。
SFDは、買うときと売る時に、価格差があると、手数料を払ったりもらったりする仕組みです。
FXが高い時、Bitflyerとしては、値段を下げたいわけですから、みんなに売ってほしい。
なので、買った人から徴収して、売った人にあげる仕組みです。
でも、売った人は将来買い戻す必要があるので、その時に修正されるなら同じという話があって、
導入当初は価格是正の効果が発揮されなかった様です。
今はSFDは修正されていて、決済の時にもらえる分が無くなっています。
その結果、FXが高い時は、ロング(プラス)のポジションを持っている人は、SFDが発生している状況では、売買をするたびに損をすることになります。
さてそのSFDですが、10%の乖離時に0.5%という水準です。
これは、頻繁に売買をする人にはすごい大きな負担になる反面、買って保有し続ける場合は小さい数値です。
一部の資産家が、どーんとたくさん買って、保有し続ける場合、それを売ってもらうためのインセンティブには全くなっていません。
現在の状況だと、FXが高い時、ショートポジションを取っている人は、SFDで損をしないわけです。
(5%,10%など境界値を超えるときはその限りで無いので注意)
なので、アカウントを2つもって、Aは大量にロング、Bはショートしておいて、Bで頻繁にトレードすることで、SFDのBitflyerへの徴収を回避できてしまいます。
では、どのような仕組みにしたらよいかということになります。
海外のレバレッジでよく見みられる仕組みですが、価格が乖離した場合、修正する方向に、こまめに手数料を発生させた方が良いと思います。
私が設計者であったなら、現状の仕組みも踏まえて、以下の様なルールにすると思います。
・現状のSFDは廃止
・0時~23時まで、現物とFXの乖離を5分毎に計測して、平均値を算出する。
・0時に徴収されるスワップポイントを、買いと売りで乖離値に応じて変える
・乖離が0.5%を超える毎に、スワップポイントを0.01%変える。
FXと現物の乖離が0.5%未満 買い0.04% 売り0.04%
FXが現物より高い 0.5%~1.0% 買い0.05% 売り0.03%
FXが現物より高い 1.0%~1.5%以上高い 買い0.06% 売り0.02%
FXが現物より高い 1.5%~2.0%以上高い 買い0.07% 売り0.01%
FXが現物より高い 2.0%~2.5%以上高い 買い0.08% 売り0%
FXが現物より高い 2.5%~3..0%以上高い 買い0.09% 売り-0.01%
以下省略、逆も同様
現在のSFDが微妙なため、乖離が発生し始めると、極端にFXの出来高が少なくなります。
これは、Bitflyerにとっても良くないことのように思えます。
ぜひ、仕組みの変更を検討していただけたらと思います。